篆刻家【北村 鐘石】モノローグ

篆刻家・北村鐘石 彫刻中

店主を務める印章店【青雲堂印房】の店舗が
今の場所に移転したのが10年前のことでした。

ようやく安住の地を得て、
さらに本腰を入れて印章彫刻に打ち込もうとしたとき、
ふと、これまで習得してきた技術に限界を感じました。

ある寺院から角印のご注文をいただいたことがきっかけでした。
普段彫刻している、直径わずか15㎜の実印や銀行印とは、
一辺の長さが約3倍、面積は約10倍もの45㎜角の印章でした。
仕上りはなんとも収まりが悪く、納得もできませんでした。

「もっと大きな印を美しく彫る技術を身につけたい」
「文字の専門家として、その成り立ちを深く勉強したい」

そんな思いに駆られ、厳しい修業を覚悟の上で、
平成18年(2006)、篆刻の世界に足を踏み入れました。

篆刻作品はとにかく大きいので、
たった1本の線をなおざりにしただけで無様な仕上りになります。
二千年前の中国の学者が叡智を絞って創り上げた文字ですから、
現代のわれわれも、その思いをしっかり受け止めて真摯に学習し、
1本1本の線を精魂込めて、全精力を傾けて彫らねばなりません。

幸いにしてこの世界に入って2年目で日展に入選することができ、
そこから3年連続で入選を果たしました。

しかし篆刻の世界は実に奥が深く、追求すればするほど
課題や謎が次々と目の前に立ちはだかってきます。
その難しさに、今ではすっかりその虜になっています。

かといって私は専業の篆刻家になろうとは思っていません。
篆刻はあくまで技術の研鑽が目的で、生涯が勉強です。


北村 鐘石 プロフィール

武蔵野市吉祥寺の篆刻家【北村 鐘石】手元

■平成21年第71回謙慎書道会展覧会 篆刻 初出品 特選謙慎賞
以降5年連続特選受賞 理事となる
■平成21年第26回読売書法展 篆刻 秀逸受賞
以降特選2度・奨励賞受賞して幹事となる
■平成21年第41回日展5科書篆刻の部 入選 日展作家となる
■平成22年第17回全国印章技術大競技会 篆刻の部 金賞受賞
■平成22年第42回日展5科書篆刻の部 入選
■平成22年中国 西レイ印社 書印大展 入展
■平成23年第43回日展5科書篆刻の部 入選
■平成24年中国 西レイ印社 詩書画印大展 入展
■平成26年改組 第一回新日展 入展

篆刻家・北村 鐘石 代表作ギャラリー

印影をクリックすると拡大表示されます。

趣味はウォーキング、それとも?

武蔵野市吉祥寺の印鑑はんこ屋【北村 鐘石】トーク

健康増進と体重維持のためによく歩くことにしています。
週のうち5日は毎晩約10km歩き、
月2回の篆刻教室のときは、椎名町から吉祥寺まで
約12kmの道のりを2時間半ほどかけて歩いて帰ってきます。

歩きながら次の篆刻作品の構想を練るようなことはしません。
ウィンドウを眺めながら『この店の餃子はうまそうだな』とか、
思い浮かぶのは食べもののことばかり(笑)。

特に甘いものが大好きで、たい焼きや今川焼などは
遠くの街の名店で20個ほどまとめ買いして冷凍庫に保存して、
篆刻で脳が疲れたときのブドウ糖補給に役立てています。

と、ここで奥様が横から一言。
「夫の趣味はウォーキングというより、食べ歩きです(笑)」


東京の印章(印鑑・はんこ)専門店
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